スキップしてメイン コンテンツに移動

第十三話


仕事での〝怒り〟を減らすために【Style A
 
 

仕事中、怒ってしまう時って、ありますよね。営業でも事務でも、簡単に達成できる目標なんて珍しく、たいていは強いプレッシャーの中で働かざるを得ないのが普通ですからね。
 

とはいえ、感情的に怒ってしまい、あとで後悔することも多いでしょう。でも怒りは自然な感情ですし、怒ること自体は悪くありません。問題は「怒り方」です。

よくないのは、①頻度が高い、②激しい、③長時間続く、あたりでしょう。怒る目的は、相手の言動を改善することですが、この①②③のいずれかをやってしまうと、目的はたいてい達成されません。
 

では、怒りを感じてしまったとき、どうすればいいでしょうか?
 

まずは何より「すぐに怒りを爆発させないこと」です。

怒りのピークは10秒以内ですから、10秒、できれば10分、黙るか、その場を離れることです。一晩我慢すれば、相手の言い分も少しは理解でき、怒りはかなり減るものです。
 

次は「怒りの原因」を考えてみましょう。

たいていの場合、「自分の期待に及ばない」が多いようです。すなわち、上司はこうあるべき、後輩はこうあるべき、ルールは守るべき、時間は守るべき…でも現実はそうならない、などが「怒りの原因」です。

少し考えればわかりますが、この「べき」すなわち「期待」は人によって違いますし、その日の気分によっても変わります。まずは、この「期待」の範囲を安定させることです。そして、ここが大切なのですが、少しでも許せる範囲を広げられれば、怒りはかなり減ります。
 

最後に、「怒りの表現方法」です。

当然、感情を爆発させず、おだやかに話し合うのが理想です。それが難しい場合は、最低、以下をやめてみましょう。①人格否定、②遠い過去を引っ張り出す、③同じことで何回も、④八つ当たり。
 

私たちが怒る相手も、よくよく話を聞けば、意外にがんばっているものです。相手の現状をしっかりと受け容れて、許すことができれば、おそらく怒りは減ると思いますよ。

まずは、一つずつやってみましょうね。

このブログの人気の投稿

第三十五話

人を動かす③ ~二つ目のキーワード『希望』……暗闇では〝光〟が必要~   冒頭から半世紀以上前の ややドライな実験の話で申し訳ありません。   米国の   ジョンズ・ホプキンス大学で、 ラット ( ネズミ ) を 「溺れ死ぬか、生きるために泳ぐか」 という過酷な状況に置いた場合、 何時間くらいがんばれるかを調べました。   結果は 「最短 15 分、最長 60 時間以上」と 実に 200 倍以上の差がつきました!   さらに調べたところ 「がんばれば苦しい状況から抜けだせる」 という〝光〟を見出だす 成功体験を積ませたラットは、 15 分では一匹も溺れず、 すべて 60 時間   程度粘ったとのことです。   人とラットは違います。 しかしながら、人も『希望』が見えれば がんばりやすくなります。 暗闇でも〝光〟があれば、 そこに向かって歩んでいける という感じでしょうか。   仕事では 「がんばればうまく行く」 「十分にやれそうだ」 という〝自信〟がまずは必要です。   逆に 「がんばってもうまく行きそうにない」 「とてもやれそうにない」というように 〝光〟が全く見えていない部下を やる気にして動かすのは至難です。   勿論、精神論だけで『希望』は見えません。 部下が〝自信〟を持つためには、 「何をどうすればいいかわかる」 と心底納得するまで寄り添って 具体的かつ細分化された 〝道筋の明示〟をすることが必要です。         部下と共に歩む中で、 適切なフィードバックを与えつつ、 『希望』への接近を部下が実感できれば、 やる気も上がりやすいと言えます。     以上が 「人を動かす」ための第二のキーワード 『希望』の概要です。   ポイントは〝自信〟 及びそこに至るまでの細分化された 〝道筋の明示〟です。   次回は三つの中の最後のキーワー...

第三十四話

  人を動かす②  ~ほめれば人は動くのか? …一つ目のキーワード 『充実』 ~   前回、約 30 年前に比べて今は部下、 特に若者を動かすのが格段に難しくなり、 やる気になって働いてもらうためには どうすればいいか、 学問を参考にしつつ、 いずれも私見ですが 3 つの角度から考えると言いました。   まずは巷でよく言われる「ほめる」です。   若者に限らず、 人はほめられればうれしく感じて やる気にもなり、 自ら進んで動きやすくなります。   とはいえ、 いつでも何でもほめていると、 ほめられる側のうれしさも減ってしまい、 やる気も当初ほどは上がりません。   増して、 嘘っぽく聞こえるよう“棒読み”なら ほめない方がいいでしょう。   ほめることは確かに重要ですが、 “ほめるオンリー”で部下がやる気になり、 さらには 自ら進んで動くのは難しそうです。     そもそも 部下はほめられて 何を得るのでしょうか?   大胆に言い切ってしまえば…   『充実』   …です。   それではこの 『充実』 は、 ほめられる以外 どのような時に 部下は感じるのでしょうか?   まずは自身の「成長」、 そしてチームなど周りの人たちへの 「貢献」です。   自分は今成長できた! と実感できる時 ……平たく言うなら、 今までできなかったことが できるようになった時 人はうれしくなります。   加えて、 自分の成長によって チームの目標が達成するなど 「チームに貢献できている!」 と感じられれば俄然やる気が出ます。   実はこの「成長」と「貢献」を 部下が感じたまさにそのタイミングで、 上司がほめて感謝すれば 部下のやる気が 爆上がりすることもあります。   さらには 「仕事が楽しい」 と部下が感じれば、 放っ...

ごあいさつ

経済学部同窓会として経済学部生の就職活動を支援して、 早いもので 4 年が経ちました。 おかげさまで参加した学生さんは700名を超え、満足度は ほぼ 100% を維持しています。 とはいえ、学生さんの就職活動に加えて、 卒業した後の若手同窓生が社会で活躍できるために、経済学部同窓会として 何かお手伝いがしたいと考えています。 ******************** *********** 就職活動の支援活動をよりよくするためには、 何が大切か、話し合いを重ねました。 答えは出ませんでした。 しかし、これだけは言えます。 「学生さんと接する以上、先輩である私たちがより魅力的な社会人になること」 これは絶対必要ですね。     ******************** *********** みなさんの「仕事力」と「人間力」 この両面を磨くお手伝いができれば、 と思い、竜巻竜次先生(画)にご協力頂き 「立野 新 ( たての あらた )  社会人日記」作成しました。 気軽に読んでいただけるとうれしいです。 立命館大学経済学部同窓会 メントレ委員会一同