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第三十三話

 






人を動かす①

 

30年前、

仕事で部下などの「人を動かす」ことは

今ほど難しくありませんでした。

 

なぜなら、

当時は“パワハラ”という言葉さえなく

若者を中心に働く人がたくさんいて、

いくらでも交代要員がいたからです。

 

「交代要員がいる」のは

「辞めさせてもいい」と

当時はほぼ同義でした。

 

よって、かなりの上司が

『恐怖と利害』を活用しました。

 

『恐怖』の代表例は「罵倒」です。

『利害』は「昇格・勤務場所」

あたりでしょうか。

 

例えば、

指示に従わない部下には

「大声で怒鳴り」、

「昇格をネタに釣ったり脅したり」して

(地方or不遇な部署への)左遷」

あるいは

(有望な部署への)栄転」をチラつかせて

「動かす」のです。

 

現代ではこのような手法は使えません。

パワハラが絶対不可になったからですが、

加えて働く人、中でも若者が激減して

交代要員がいないことも理由の一つです。

 

よって「人を動かす」、

即ち「やる気になって働いてもらう」のは

難しくなったのです。

 

「人を動かす」方法を

ネットで調べても、書店に行っても

たくさん見つけられますし、

優れたリーダーは

自分なりの「技」を持っています。

 

しかし、

それらの成功事例を

自分に転用しようとしても

なかなかうまくいきません。

 

なぜなら

上司も部下もそれぞれ個性が違い、

歩んだキャリア、

働く目的も異なるからです。

 

 

では、

職場で、ある程度転用できそうな

「人を動かす」方法はあるのでしょうか?

 

次回以降、

先人の知恵や研究の集積である

学問などを参考にしつつ、

いずれも私見ですが、3つの角度から

考えてみたいと思います。

 

前振りとして、

まずは「ほめる」について

以下少し話します。

 

特に若者は、

様々なアンケート結果からも、

ほめてほしいと望んでいるようです。

 

そして、

多くの上司がほめています。

相応に成功しているようですが、

一方で、

うまく行かないと嘆く声も聴きます。

 

次回はこの「ほめる」を起点に、

三つの中の一つ目のキーワード

〝充実〟を考えます。


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