新入社員に厳しさは必要か?(Part1)
ぼちぼち学生さんは夏休みでしょうか。
みなさんは、
配属された新入社員との会話が
増えていると思います。
「やさしくせよ」
「怒ってはいけない」など、
上司から指示された人も
いるでしょうね。
新人時代、
厳しく指導された人の中には、
「厳しいからこそ成長できた」
と感じている人もいるはずであり、
そんな人は今の〝甘さ〟に
不満かもしれません。
平成の前半頃、厳しい指導を受けて
成長した人がたくさんいる、
というのは、その通りです。
しかしそれは
「私だから耐えられた」
と考えるべきです。
正確には
「私の世代だから耐えられた」
と言ってもいいでしょう。
過去に大ヒットした漫画は、
時代の空気を
鮮やかに反映しています。
“強制的な猛練習”のシーンで
振り返れば一目瞭然です。
2020年秋から大ヒットした映画
「鬼滅の刃~無限列車編~」では
ほぼゼロです。
(漫画では“自主的な猛練習”があります)
2000年代以降、
今も売れている冒険漫画
「ワンピース」、
あるいは1990年代に
一世を風靡したバスケット漫画
「スラムダンク」では
少しだけあります。
それよりもっともっと昔
今から約半世紀前、
スポ根の原点と言われる
「巨人の星」
「アタック№1」では
“強制的な猛練習”のシーンが
何回もあります。
今年の新入社員は2000年頃に生まれ
“強制された猛練習”とは無縁であり、
先生や先輩に日常的に怒鳴られ続けた
1980年頃以前に生まれた人たちとは
見てきた風景がまったく違うのです。
しかし、
猛練習を強制されなかったから弱いか、
と言えばそんなことはありません。
野球の大谷翔平さんは
1994年生まれ(27歳)、
将棋の藤井聡太さんは
2002年生まれ(19歳)。
2人とも、過去に誰もできなかった
偉業を成し遂げています。
女子カーリングのロコ・ソラーレも
“強制的な猛練習”とは無縁です。
要するに、
猛練習に代表される、
「強制的な厳しさ」は
成長に必要な条件では決してない
ということです。
では、新入社員や若手は、
どうすれば育成できるのでしょうか?
それは次回、考えていきましょう。