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第十四話

 
 
 
仕事での〝怒り〟を減らすためには【Style B
 
 
前回に引き続き、〝怒り〟に関するお話をします。
前回も少し述べた「怒りの原因」を、今日は掘り下げたいと思います。
 
そもそも仕事中の〝怒り〟はなぜ起こるのでしょうか?
多くの場合、それは〝期待〟との落差によって生じます。例えば「こんなことくらい2年目なら(あるいは上司なら)、できて(気がついて)あたりまえ!」という自分の〝期待〟に、相手が届かないからです。
 
しかし、多くの人が怒ってしまう場面でも、あまり怒らない人がいます。この差は何なのでしょうか?
 
結論としては、『現状の相手の力量を受容れること』、そして『目標(理想)の未達成を覚悟すること』の2つが大切です。
 
『現状の相手の力量を受容れること』は簡単ではありません。すなわち、あなたの相手に対する期待点が10点で、現状の相手が3点でも、昔の自分、あるいは過去に自分が接した人たちと比べず、一旦受容れるということです。実際、あなたの〝期待〟に届かない人たちも一所懸命がんばっているものです。その人の歩んできた道を知れば、今の姿や考え方をたいてい理解できるようになります。その人に対する〝怒り〟はこれだけでかなり減ります。
 
もう一つの『目標(理想)の未達成を覚悟すること』は、もっと難しいことです。
期待点が10点で、現状の相手が3点の場合、チームの目標達成や、あなたの理想の実現はかなり困難になります。大変な現実ですが、それを覚悟するのです。「腹をくくる」と言ってもいいでしょう。
 
 
この2つの考え方を体得できれば、きっと〝怒り〟は減らすことができるでしょう。
 
 
最後に蛇足ですが、「怒る目的」をもう一度よく考え直してくたさい。
たいていは、相手の考え方が変わり、言動が改善することを目的としているはずです。
では自分の行動や考え方が変わったのは、怒られた時でしょうか?いろいろあるとは思いますが、感情的に怒られて改心した、という事例は極めて稀なはずです。もし誰かのアドバイスであなたが改善したことがあるのなら、その人をあなたは信頼していたのではないですか?
結局は、〝怒り〟という感情を乗り越えて、信頼されるリーダーが、多くの人を成長させていくのだと思います。
 
 


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