「聴く」時に心がけること 後輩指導では「見て、聴いて、理解する、そして任せて、ほめる」ということが大切だと言いました。この中でも『聴く』は特に重要です。これは後輩指導にとどまらず、上司や先輩、あるいは同僚に対しても有効で、職場の人間関係を良くするためにも役に立つスキルです。6つあります。関心がある方は、順番に試してみてください。 1つ目は「仕事の手を止める」です。手を止めるだけで、相手は「ちゃんと聴こうとしてくれている」と少しうれしくなります。 2つ目は「胸で聴く」、すなわち「からだを向ける」ことです。顔だけを向けるよりも、はるかに効果があります。 3つ目は「熱烈に聴く」、「共感する」とも言えます。これは特に大切です。相手の話す内容と表情から、相手の心情を理解し、表情豊かに頷きながら聴くことです。具体的には、うれしい話なら喜び、すごい話なら驚く、という感じです。 (ただし“同意”はしない方がいいでしょう。例えば、誰かの悪口を聴いた時に「私もそう思うよ」などと同意してしまうと、あなたが信頼を失うかもしれません) 4つ目は「最後まで聴く」です。相手の話が明らかに間違っているとしても、途中で遮らないようにしましょう。 5つ目は、「長時間でも、じっくり聴く」です。一回の最長時間は2時間程度でしょうか。もちろん、あなたの話す時間は極力抑えましょう。目処は〝2割以内〟です。 最後の6つ目は、「相手が話すまで、黙る」です。これは相手が無口な場合の対策です。質問してから待つ時間の目処は〝3分〟くらいでしょうか。3秒ではありません(笑)。やさしい表情で待つことがポイントです。 今日は「聴く」時に心がけることを6つお伝えしました。これでも、完全ではありません。それだけ奥が深いのです。ただ、この「聴く」スキルが身につけば、後輩指導に加えて、あなたの職場での人間関係もきっとよりよくなると思いますよ。
立命館大学経済学部同窓会から若手同窓生に向けて『社会人として独り立ちするコツ』をマンガ形式でつらつらと掲載します。肩の力を抜いて読んでいただければ幸いです。